先週、瀬戸内の直島・犬島へ行ってきましたぁ~☆
めっちゃ良かったです^^
道中ちょっとしたハプニングに遭ってヒッチハイクしたり、島の人々やそこを訪れる方々との交流もありー、
一期一会的な出会いがたくさんあったりーと、とても実り多いよい旅になりました☆
JR岡山駅から宇野線宇野方面への終点「宇野駅」。
ここから直島へのフェリーが出ています。
宇野駅
宇野港フェリー乗り場
フェリーに乗り込む。いい感じ♪
宇野-直島間一日13本運行、宇野港から約20分ほどで直島「宮之浦港」に到着です。
宮之浦港 海の駅なおしま
早速見えてきたのは草間彌生の作品「赤かぼちゃ」
草間彌生「赤かぼちゃ」
宮之浦港近くのドミトリーに宿泊することに。
旅人たちが集まるドミトリー
一泊2800円 二段ベッド。
簡素だけど居心地いい☆
直島はおおまかに4つの地区に分かれています。
「宮之浦エリア」と「本村エリア」と「琴反地エリア」と「積浦エリア」。
本村エリアは「家プロジェクト」が行われているエリアで、
ベネッセハウスとか地中美術館の大物系は「琴反地エリア」にありました。
☆家プロジェクト
本村エリアで行われている「家プロジェクト」。
古い民家や城跡や寺、神社が点在するこの地区では、過疎化や高齢化に伴い空家が目立つようになり、
町並み保存のためではなく、この古民家を積極的にアート作品として再生させていました。
「はいしゃ」大竹伸朗
「角屋」宮島達男
「護王神社」杉本博司
☆ベネッセハウスミュージアム
「琴反地エリア」にあるベネッセハウスの敷地内にミュージアムがありました。
外観の少ない建築で、山の斜面に建てられていました。
ギャラリースペースはほとんど地下に埋まってるみたいで、テラスからは瀬戸内の海を臨むことができました~。
☆屋外作品
ベネッセハウスミュージアムからそう遠くない所にパークビーチという海岸があります。
ここには屋外作品が多く点在していました。
あ、なんか見えてきたよ☆
ジョージ・リッキー「三枚の正方形」1972-82
風によってゆっくり方向を変える
ここにも。
大竹伸朗
「シップスヤードワーク・船尾と穴」1990
ここにも。
大竹伸朗
「シップスヤードワーク・遮断された船首」1990
現在早朝6:30。この広々感めっちゃ気持ちよい。
瀬戸内の穏やかな波の音としばし会話。
ん?向こうに桟橋がみえるよ。
おお、ベネッセハウスの宿泊者専用お出迎えフェリーの乗り場だったのね!
ひゃーこんなところにも作品が!
杉本博司「タイム・エクスポーズド」
海景の写真を岸壁に設置してある。
このシリーズがベネッセハウスミュージアムのテラスにも展示されていました。
桟橋の方から見上げるとベネッセハウスのミュージアム棟が山の景観に溶け込んでいます~。
ちょっとここらで休憩。
本村エリア、家プロジェクト「南寺」から徒歩5分ぐらいのところに古民家カフェの看板を発見☆
看板なかなかかわいい。期待できそう。ちと狙ってる感あり。
おやおやどこまで行くのですか?
と思ったらありました~。
うーん、まさに古民家カフェだわ!
いいじゃん
いいじゃん!!
ルイボスティーと抹茶チーズケーキ☆(食いかけですみません。。)
地中美術館は混雑のため今回は断念。ガイジンさんめっちゃ多かったです。
整理券が配られるほどの混雑っぷりでした。
また次の機会に行きます☆
直島銭湯「Iラブ湯」
アーティスト・大竹伸朗が手がける実際に入浴できる美術施設。
宮之浦港すぐ近く、宿泊したドミトリーの隣にありました。
かわいい~。
地元のおじさん達がかわいいハッピを着て、お仕事していました^^
旅人や地元の島民らが集まるカフェバー
ドミトリーやレンタサイクルもある。
直島の人々はアートによる島の活性化についてどのようにお考えなのでしょうか。
以下、カフェバーで会った土地の人のお話。
「わしらは正直アートなんてもんはわからん。
今では外人もいっぱいおるし。ちょっとしたことが混雑するし。時々うざったい。」
と辛口なご意見をいただましたが、私はその方の家を訪問し、讃岐うどんをごちそうしていただきました。
そうやって訪れる旅人たちに親切にもてなしをしたり、家プロジェクトなどの要請が地元の方々から出ていること、
またその管理を島民の方々がやっていて来場者に解説ができるぐらいに作品の理解があること、
地元のカフェバーに貼ってあったベネッセ会長・福武氏を囲んだ写真の和やかな雰囲気から察するには、
アートが外からやってきた異物ではなく、直島にしかない、今この直島だからあり得る(という新しい価値をつけた)作品によって、思いもよらない形でそれが残っていくということに、地元の方々の美意識も変化し、島の自信と誇りを見つけておられるような感じがしました。
そうやって生活に密着しているためか、島民の方々一人ひとりがアートへの意識が高いと感じた場面に多く出会いました。
その後、以前からずっと行ってみたかったお目当ての犬島へ☆
ここには第一期犬島アートプロジェクトの「精錬所」があります。
近代化産業の遺産として残された精錬所の廃墟に、現代アートと循環型建築システムを融合させた
モデルとて、公開されているところです。
直島からは、精錬所の鑑賞ツアーの時間に合わせてアートシャトル便が出ています。
時間は約35分で運賃2000円。
瀬戸内海の島々の間を通過して、「世界わ私のモノよ!」と叫びたくなるくらいの
気持ちよい船の往路を楽しんでいる最中、目的の犬島が見えてきました。
「前方に見えますのは犬島でございます。」
犬島港に着くとすぐ見えるのは「犬島アートプロジェクト」のチケットセンター
館内には建築家・三分一氏によるあらゆる地形での建築作品の模型とパネルが展示されている。
カフェもある。
チケットセンターから。
向こうに精錬所が見える。
1時間も歩けば島の全周を回れてしまうぐらいの小さな島でした。
作物はスイカやかぼちゃやきゅうり、カンキツ類などを多く見ることができました。
出会う人々は(とはいってもほとんど会うことはなかったのですが)高齢者の方がほとんどで、
廃屋となってしまっている家屋も多かったです。
ライフライン的な施設に関しては、小さな商店が一軒と小さな診療所を一軒見つけることができました。
(とはいっても、何かを売っているような様子は見られなかった。。。)
また唯一の宿泊所として、廃校となったかつての小・中学校の校舎を整備した「犬島自然の家」という自活型アコモデーションもありました。
なぜ、このような場所に銅の精錬所が作られたのか。
それは精錬所から排出される有害な煙やが本土に建設するのに問題があったとのこと。
資材の運搬などの利便性もあったんでしょうけど。
なんというか、、、まぁそれはそれでご事情は察しますが、ちと勝手な話だと思いました。
でも当時操業していたころは、島の人口は3000人ほどだったそうです。(人口密度高っ!)
精錬所の建物自体も当時としてはかなりモダンで、近代化産業に貢献というくらいだからそりゃそう狙って作られたんしょうけど、、
夜になって精錬所の明かりが灯っている様などとても幻想的で美しかったようです。
地元の小さなおばあさんに道案内をしてもらいました。しばらく一緒に歩いていました。
海岸沿いの大きな一軒家に住んでいらしゃっる方でした。
「いつもこのあたりまで歩いとるんよ。運動せな。」
この1時間半で歩けてしまう小さな島に、おばあさんの全世界があると思うと、
犬島の本当のリアリティを見つけたような気がしました。
精錬所は1909年に操業開始(ちょうど100年前!)で10年間だけ機能していたけど、
その後銅の価格高騰で精錬所は廃業となり、廃墟となった建物が当時のまま保存されている施設です。
その一部保存状態がよいところなど利用できるところは利用しつつ、
電気の力を使わず、風や太陽光を利用した建築構造だけで暖冷房空調を実現するシステムや、
生活における廃物を植物栽培(カンキツ類)の肥料に利用して、循環させるシステムが組み込まれていました。
外から取り入れられた空気が長い通路を通ってメインルームに運ばれるようになってるんですが、
またその通路がすごいんです!
空気が私たちと一緒に通路を流れ、ひんやりと冷やされていくのが肌で感じました。
その通路は曲がり角ごとにその壁の部分がミラー張りになっていて、前後がわからなくなるというか、
今来た道が先にもある、というような不思議な空間になっていました。
空気と一緒に通路を通り抜けて行き着いた先のメインルームには、三島由紀夫の生前の家屋の一部を使用したアートワークや、
彼が割腹の際に遺したテキストや小説の一部を、赤色LEDの文字で合わせ鏡に照らした作品などを見ることができました。
内部は撮影不可だったのですが、屋外の近代産業の廃墟部分は写真をとることができました。
見てください、このラピュタっぷり!!
「「バルス!」」 目が、目が~
犬島・精錬所は、100年前に近代化産業に貢献した遺産として、環境に配慮した循環型建築システムのモデルとして、
また戦後の日本の将来を憂いた作家・三島由紀夫に関わる素材をモチーフにしたアート作品を通して、
人と社会と環境を繋げるモノ作りというもの、さらにこれらの題材をもとに日本のあり方を考えていくという
視点から、大変参考によい勉強になるところでございました☆
それよりも素で感動!間違いないですッ!!
>電気の力を使わず、風や太陽光を利用した建築構造だけで暖冷房空調を実現するシステムや、生活における廃物を植物栽培(カンキツ類)の肥料に利用して、循環させるシステムが組み込まれていました。
返信削除これ、いいですね。四季を問わず実用的に稼働しているのでしょうか。HPも見てみましたが詳細がわからず。
これと近いようなコンセプトを四谷のギャラリーでできないかなー。
肝心なところが撮影不可の場所で写真におさめることはできなかったのですが、
返信削除暖冷房の空調管理は四季問わず稼動する仕組みになっていました。
夏は外部から取り入れた空気が、地中のうねうね長い不思議な通路を冷やされながら通過し、地下室のメインルームに運ばれ、
その冷やされた空気が各室を巡ったあと、
気圧差を利用して煙突から抜け出ていくような仕組みでした。
その煙突も、精錬所が閉鎖する直前に建設された状態の良いものを利用していました。
冬は逆に暖かい空気を循環させるため、厚いガラス屋根がついているサンルームがあって、太陽熱を取り入れていました。
暖房のほうは体感できなかったので、空気がどこを通って循環されてるのかちょっとわかりませんでしたが、
空気を取り込む入り口の扉を季節によって開け方を変えて調整してるみたいでした。
遺構を利用している作られていることとか、「循環」をコンセプトにしたシステムとか、
犬島にしかないサイトスペシフィックな芸術品だと思うけど、
これ、普通に実用的にできたらいいですよね。とてもあざやかです。